Hyper-Vを実際に使ってみよう

最終更新日時:2011/06/02 03:52:04
(注意: 本記事で記載している内容は Hyper-V RC1 を利用したもので、実際の製品版とは異なる可能性があります)
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Hyper-V 上でのフェールオーバクラスタの作成 (4)

iSCSI ターゲットの設定

今回構築するフェールオーバクラスタリングの環境では、共有ディスクとして Windows Unified Data Storage Server 2003 の iSCSI ターゲットの機能を利用したいと思います。iSCSI ターゲットの設定手順を以下に示します。(英語版のため、日本語版との表記とは異なると思われます)

1. iSCSI Software Target の管理ツールを起動する
2. 左ペインにある [iSCSI Targe] の右クリックメニューから「Create iSCSI Tareget」を選択する
3. 「iSCSI target name」に「Win2008CL」と入力する
4. 「iSCSI Initiators Identifires」に接続する iSCSI イニシエータの情報を追加するために、「Advanced」をクリックする
5. 「Add」をクリックし、「Identifier Type」を「IQN」にし、「Value」に「iqn.1991-05.com.microsoft:win2008n1.admintech.local」を追加し「OK」をクリックします
6. 同様に「iqn.1991-05.com.microsoft:win2008n2.admintech.local」も追加します

ここまで、iSCSI ターゲット の作成は完了ですが、この iSCSI ターゲット がアクセス可能なディスクの設定が必要ですので、継続して以下の設定を行います。

7. 左ペインにある [Devices] の右クリックメニューから「Create Virtual Diskt」を選択する
8. 公開する仮想ディスクのパスを今回は「C:\VHDs\Win2008CL\Quorum.vhd」として指定する
9. 容量を「1024MB」(1GB) とする
10. 詳細情報として「Win2008CL Quorum」とする
11. アクセス可能な iSCSI のターゲットとして、先ほど作成した「Win2008CL」を選択する
12. 同様に、パスを「C:\VHDs\Win2008CL\Data1.vhd」、容量を「2048MB」(2GB)、詳細情報を「Win2008FS Data1」とし、アクセス可能な iSCSI ターゲット「Win2008CL」として作成する

iSCSI Target のポイントとなる設定結果を図xx ~ 図xx に示します。

iSCSI イニシエータの設定

まず、Win2008N1 において、iSCSI イニシエータの設定手順を以下に示します。

1. Win2008N1 のコントロールパネルを開く
2. クラシック表示に切り替え、「iSCSI イニシエータ」を選択する
3. Microsoft iSCSI のサービスが自動起動するように設定変更確認ダイアログが表示されるので「はい」を選択する
4. Windows ファイアウォールのブロックを解除するのかの確認ダイアログが表示されるので「はい」を選択する
5. 「探索」タブをクリックし、「ポータルの追加」をクリックする
6. 「ターゲット ポータルの追加」ダイアログにおいて iSCSI ターゲットの IP アドレス(192.168.250.180)を設定する
7. 「ターゲット」タブにおいて iSCSI ターゲットの IQN を確認し、「ログオン」をクリックする
8. 「コンピュータの起動時にこの接続を自動的に復元する」にチェックをつけ、「OK」をクリックする
9. 「iSCSI イニシエータのプロパティ」を閉じる
10. サーバマネージャにおいて、[記憶域]-[ディスクの管理] で、新規ディスクが2つ存在するのを確認する

ディスクの確認ができたら、引き続き「ディスクの管理」ツールを利用して以下の手順を実施します。

11. オフラインになっているディスクを右クリックし「オンライン」を選択する
12. オンラインに変更したディスクを右クリックし「ディスクの初期化」を選択する
13. 「ディスクの初期化」ダイアログが表示されるので「OK」をクリックする
14. 1GB の未割り当ての領域を右クリックし、「新しいシンプルボリューム」を選択する
15. ドライブ文字を「Q」とし、NTFS でフォーマットする
16. 同様に 2GB の未割り当ての領域をドライブ文字「E」とし、NTFS でフォーマットする
17. オンライン化した2つのディスクをオフラインに変更する

引き続き Win2008N2 においても同様の操作を行いますが、両方のノードでディスクを参照すると予期せぬ動作をするため、iSCSI ターゲットからログオフしておきます。ログオフは以下の手順となります。

18. Win2008N1 のコントロールパネルを開く
19. 「iSCSI イニシエータ」を選択する
20. 「ターゲット」タブにおいて iSCSI ターゲットの IQN を選択し、「詳細」を選択する
21. 「セッション」タブで、識別子にあるチェックボックスにチェックをつけ、「ログオフ」を選択する

ログオフ後、ディスクの管理ツールからディスクが見えなくなっていることを確認したら、Win2008N2 においても 1 ~ 21 の操作を行います。ただし、フォーマットの作業は実施する必要がありません。また、ドライブ文字は Win2008N1 と同じになるようにしておく必要があります。
Win2008N1, Win2008N2 の両方の設定が完了後、各ノードで上記の 1 ~ 10 の操作を実行し、両方ノードでディスクがオフライン状態で参照されていることを確認します。

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